扇子は大きく「江戸扇子」と「京扇子」に分けられます。一般に多く出回っているのは分業、大量生産されている「京扇子」で、

安い物では中国で作られ日本国内に数多く出回っています。

 一方、全ての工程を一人で行う「江戸扇子」は手間がかかり、作品数も限られます。現在、東京都内で江戸扇子を作っている

職人は数人しかいません。このあらかわショッピングモールでは、そんな貴重な伝統技術を継承する扇子職人 深津佳子さんの

扇子を購入することができます。

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元禄年間[1688〜1704年]に浅草仲見世「宝扇堂」久阿弥の初代金兵衛が、京都から江戸に出て、浅草寺境内で

 

葦頭簀張りの店を出し、扇を売ったのが始まりと言われています。京扇子に比べ粋な図柄が多く、骨数が少なく、

 

サイズは大別して男物7寸5分、女物6寸5分となっています。

 

@絵付け(2分)

3〜5枚の和紙を合わせ、地紙を作ります。

地紙に刷毛で色を引きます。この工程は色引きと言い、色をつけることにより

地紙を落ち着かせ、丈夫にします。

充分乾かした後、どうさを引き砂子(今回は本金箔を使っています)をふります。

砂子の付き方は、温度(気温)の高低に左右されます。

砂子が取れないように和紙で余分な水分を丁寧に吸い取った後、乾かします。

さらに紋入れをした後、「平口開け」で口開けします。

 

 

湿らせた布にくるみ、湿らせた後、折りに進みます。

 

A折り(2分)

地紙を「折り型」(和紙で作られた分厚い折れぐせのついた紙)の間にはさんで

折りたたみ、蛇腹の形にします。

端の部分を紙出し包丁で切り落とします。地紙を2枚重ね、たたいて、軽く(短

時間)せっこみ ます。

 

 

 

 

 

 

B中刺し(2分)

よく乾かした地紙に中骨を差し込む為の隙間を中刺し竹で開けます。この作業を

中刺しといいます。

その後、地紙を2枚合わせてたたき、せっこみ板に1週間程入れます。

その後万切り(上下の余分な部分を切り落とす)を行い、天紅(天の部分を虹色

に塗る)を行 います。

 

 

 

 

 

Cつけ(2分)

地紙を入れ替えて、たたんだ状態にして、拍子木でたたき、ふっくらさせます。

中刺しによって開けられた隙間に、再度息を吹き込みます。

糊のついた中骨を、吹きで広がった隙間に差込みます。この工程を中附けといい

ます。

糊で膨らんだ地紙を整えるため、たたんだ状態の扇子を叩きます。

 

 

 

 

糊が乾くのを待ってから、いよいよ最後の工程、仕上げに向かいます。

 

D仕上げ(2分)

親骨を火であぶり、ため皮を使いながら内側に曲げていきます。これを矯めといい

ます。次に親骨の余分な長い部分を先つみ包丁で切り落とします。これを先づめ

といいます。最後に親骨に糊をつけて、地紙を接着する親附けをして、完成となり

ます。 

 

 

 

 

 

 

 

完成品を手にした深津さん

 

 

●○深津 佳子氏 プロフィール○●

東京都伝統工芸技術保存連合会、荒川地区会員。東京都優秀技能者、荒川区指定無形文化財保持者の父、深津紘三の後を

継ぎ、5代目となる。材料の選定から、仕上げまで、総合して行う。大量生産には無い、味わいの深い、美しい扇子を目指す。

普段使いの持扇から飾扇、仕舞扇まで、あらゆる扇子を仕立てている。

 

○●○○ 深津佳子氏 作品集 ●○○●

豆扇

総丈 3寸(9cm)の小さい飾り扇です。

いろいろな柄があります。

 

 

 

茶扇

総丈 5寸(15cm)

お茶席用の扇子ですが、飾り扇として

使われることもあります。手前は松、左

奥は根引きの松、右奥は紅梅が描かれ

ています。 

女持ち扇

総丈 6寸5分

右が色無地、左は蝶が描かれています。

その他、様々な絵柄があります。

 

 

飾り扇

観世彫りの扇骨を使っています。

左に梅、右に松、手前に竹の葉、中央に

つがいの鶴が描かれた、おめでたい絵

柄となっています。

 

男持ち扇

総丈 7寸5分(23cm)

左奥は木版のとんぼ柄、右奥はシルク

スクリーンで網模様、真中は色引きした

上に柿渋を引いています。

 

男持ち扇

総丈 7寸5分(23cm)

左奥は「龍」、右奥は「かっぱの土俵

入り」、手前は「笹を持った蛙」が描かれ

ています。 

 

 

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